疲れが抜けない原因は「呼吸」?ヨガで疲労回復・疲れにくい体を作る仕組み
現代社会で忙しく過ごす私たちは、このような慢性的な疲労感に悩まされがちです。休息しても疲れが抜けないのは、単なる体の使い過ぎではなく、あなたの「呼吸」に原因があるかもしれません。
本コラムでは、疲れにくい体づくりに欠かせないヨガの深い呼吸と、その驚くべきメカニズムを解説します。
1. 疲れの原因は「浅い呼吸」が引き起こす悪循環
疲労の主な原因の一つは、「酸素不足」と「老廃物の滞留」です。
デスクワークやストレス下では、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなります。浅い呼吸は、体内に取り込む酸素の量を減らすだけでなく、以下の悪循環を引き起こします。
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自律神経の乱れ: 浅い呼吸は、体を緊張させる交感神経を優位にし、リラックスや修復を担う副交感神経を働かせません。結果、睡眠中も体が休まらず、疲労が蓄積します。
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血流の悪化: 呼吸が浅いと、横隔膜(インナーマッスルの一つ)が十分に動かず、ポンプ機能が低下します。これにより血流やリンパの流れが悪化し、疲労物質や老廃物が体内に滞留します。
この悪循環こそが、「休んでも疲れが抜けない」状態の正体です。
2. ヨガの呼吸が疲れを根本から回復させるメカニズム
ヨガが単なるストレッチや運動ではなく、真の疲労回復法である理由は、「深い呼吸(腹式呼吸)」を徹底的に意識する点にあります。
メカニズム①:血液とリンパの流れを劇的に改善する
深い腹式呼吸を行うことで、肺の下にある横隔膜が大きく上下します。
この横隔膜の動きが、腹部の内臓をマッサージし、まるで第二のポンプのように機能します。これにより、滞っていた血液とリンパ液が勢いよく流れ出し、体中に酸素と栄養が行き渡ると同時に、溜まっていた老廃物や疲労物質が効率よく排出されます。
メカニズム②:内臓機能の活性化と免疫力向上
深い呼吸による腹部のマッサージ効果は、胃腸の働きを活発にします。消化吸収がスムーズになることで、体は必要なエネルギーを効率よく取り込み、疲労回復に必要な栄養をしっかり体に取り込めるようになります。
また、リラックス状態が続くことで、免疫細胞が活性化し、疲れにくい、病気に負けない体づくりにも繋がります。
メカニズム③:脳と心を鎮静化し、質の高い休息へ
ヨガの深い呼吸と瞑想は、副交感神経を優位にし、脳の過活動状態を鎮めます。これにより、睡眠の質が向上し、短時間の睡眠でも疲れをしっかりリセットできるようになります。心身の緊張が解けるため、肩こりや頭痛といった体の不調の緩和にも効果的です。
3. まずは続けることが大切。体は裏切らない

「一度ヨガを体験したら、その日だけはぐっすり眠れた」という方は多いです。これは、深い呼吸によって一時的に体がリラックスしたためです。
しかし、長年続いた浅い呼吸の癖や体の硬さは、一回のレッスンでは完全には改善しません。
ヨガは、激しい運動が苦手な方でも無理なく始められ、長く続けられるエクササイズです。あなたの体の不調の根本原因である「呼吸」を見直すことから、本当の意味での疲労回復を始めませんか?
当教室では、あなたの体の状態に合わせた呼吸法と、血流を促すポーズを丁寧に指導いたします。
慢性疲労を断ち切る一歩を踏み出しましょう。