高野山会議に参加してきました。
この度、少しばかりレッスンをお休みして『高野山会議』に参加してきました。
これは、昨年、奈良のイベントでレッスンをさせていただいた際に、イベント内でお話を伺うことのできた東京大学先端技術科学研究センターの所長を務めていらした神崎亮平先生に教えていただいたものでした。
去年も参加したかったのですが、うまくスケジュールが合わずに行けなかったので、今回は本当に楽しみにしていました。

『高野山会議』とは??
高野山会議は、今年で5回目を迎えます。この会議は、密教の聖地である高野山で、過去・現在・未来という長い時間を意識しながら考え、多様な分野の専門家の方々や市民が、変わらないこと・変わってきたこと、変わっていくであろうモノやコトからの気付きを実践を通して後世に伝えていこうという会議です。
今回3日間行われた会議ですが、私は2日目の午後から参加しました。
午後の第一部のテーマは「インクルーシブデザイン」でした。
「インクルーシブデザイン」とはこれまでデザインプロセスにおいて除外されがちだった多様な人々のニーズを積極的に取り入れ、できるだけ多くの人が製品、サービス、環境などを利用できるようにするデザイン手法のことです。
とくに私は四肢に不自由を感じていないので、気づかなかったことがあります。
例えば、足の不自由な方には車いすがあると便利だという視点です。
これは間違いでした。
例えば、東大には車いすを利用している教授がいますが、科学分野の研究者で、車いすだと顕微鏡をのぞけないんだそうです。移動はできるけど、研究ができない。
そのため、車いすのデザインを見直し、座面があがるものを作って顕微鏡をみられる車いすが誕生したのだそうです。
さらに、教育の在り方のインクルーシブデザインのご紹介もありました。
学習知能も問題なく、文字も読めるし、書ける子がいたそうです。
ただ、この子は、紙媒体になると読みにくく書きにくい。
デジタルなら問題ない。
この場合、この子に障害があるというよりも、社会の在り方に問題があると考えられますよね。
紙が苦手だったらデジタル媒体で授業を受けられれば良いわけで。
でも、そういうケースに対応してくれる公立の学校はなかなかないそうです。
そこで、東大先端研では、日本の教科書をデジタル化し、著作権の問題を乗り越え(これすごく大変だったと思う)誰もがデジタル化した教科書を利用できるシステムを作ったそうです。
まさに、これらがインクルーシブデザインということです。
自分自身に不便がないと、つい見過ごしがちなインクルーシブデザイン。
でも、多くの人が様々な工夫をし、あきらめずに共生できる環境を整えることが、私たち人類の持つ智慧の役目なのだと学びました。
もっと詳しく知りたい方は、こちらのページをぜひご覧ください↓
https://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/research/inclusivedesign_index.html